憲法をわかりやすく

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第3部 第16章 裁判所

一、司法権の意味と司法権の限界  二、裁判所の組織と裁判所の権能  三、司法権の独立  四、違憲審査制


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四、違憲審査制



違憲審査権は最高裁判所の権限の1つです。

違憲審査権とは一切の法律、命令、規則、処分が憲法に適合するかどうか決定する権限のことです。

憲法は国家の基本法です。
つまり国家の根本となるのが憲法でしたね。

条約や法律、その他の法令、処分よりも上位にあり、最高規範だとされています(憲法の最高法規性)(1章四3)。
最高法規である憲法に反する法律などは効力がありません。

そこで憲法81条は裁判所による違憲審査権を認めています。





違憲審査権の性格として抽象的審査制付随的審査制、の2つがあります。

抽象的審査制とは、特別に設けられた憲法裁判所が具体的な争訟とは関係なく抽象的に違憲審査を行なうタイプのものです(ドイツ型)。

付随的審査制とは、通常の裁判所が具体的な訴訟事件を裁判するときにその前提として解決に必要な限度で適用される法令の違憲審査を行なうタイプのものです(アメリカ型)。

学説上争いはありますが、日本の違憲審査権は付随的審査制である、とされています(通説)。

本章一でもでてきた判例の警察予備隊違憲訴訟では、違憲審査権の性格が抽象的審査制か、付随的審査制か、が争われました。

この判例では、違憲審査をするにあたって具体的な争いを前提とし、それに法を適用して争いを解決させることが必要だ、としていましたね。


違憲審査権は、最高裁判所だけでなく下級裁判所も行使できます。

違憲審査権は、最高裁判所が終審裁判所でなければならないとしているのであって、下級裁判所も審査権を有するとしています。






【まとめ】
第3部 統治機構
第15章 裁判所
三、司法権の独立

違憲審査権とは、一切の法律、命令、規則、処分が憲法に適合するかどうか決定する権限のことである。

違憲審査権の性格として抽象的審査制付随的審査制、の2つがある。

抽象的審査制とは、特別に設けられた憲法裁判所が具体的な争訟とは関係なく抽象的に違憲審査を行なうタイプのものである(ドイツ型)。

付随的審査制とは通常の裁判所が具体的な訴訟事件を裁判するときにその前提として解決に必要な限度で適用される法令の違憲審査を行なうタイプのものである(アメリカ型)。

違憲審査権は、最高裁判所だけでなく下級裁判所も行使できる。


                     ケンくんノート


第3部 第15章 裁判所 四、違憲審査制 おしまい

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